教員ブログProfessor's blog

大学での学びをスムーズに行うためにー留学生のためのアカデミック日本語

佐藤 紀美子

「大学に入学したら、どんな外国語を学ぼう?」と夢を膨らませていることかと思います。今回は、私の担当する、留学生向けの日本語科目「アカデミック日本語」についてご紹介したいと思います。

「アカデミック日本語」のクラスでは、主に、大学・大学院の日本語で行われる専門の講義を受けている学部留学生や大学院生、研究生、上級レベルの日本語学習を終えた交換留学生が学んでいます。

彼らは、母国や日本で数年日本語の勉強をし、すでに上級レベルの日本語力を持っています。
しかし、「学部の講義で、最後にリアクションペーパーを配られるけど何をどう書いていいかわからない」「学期末にレポートをたくさん課されたけど、うまく書けない」といった悩みを持っている学生が多いです。
また、2年生以上で、「自分は日本語に自信があったし、学部のレポートもがんばって10枚以上書いたのに、思ったような評価が得られなかった」という学生もいます。

アカデミック日本語では、そのような学生たちの悩みに応え、大学・大学院での学習をスムーズに行うため、リアクションペーパーやレポートの書き方、プレゼンテーション、ディスカッションの仕方等を教えています。

大学や大学院では、専門知識やその分野の専門的な考え方を正確に理解するだけでなく、学んで理解したこと、また、そこから自分が考えたことを適切に表現できる力が求められます。ただ専門用語を並べただけでは、本当に理解できているのか、相手(多くの場合、学部の先生)には伝わりません。

そのため、このクラスでは、社会的・学術的なトピックを扱いながら、内容を正確に理解するだけでなく、文章を批判的に読めるようになること、学んだ知識や学術的な考え方を使って、自分が理解したことや考えたことを「わかりやすく適切な表現で効果的に」伝えられるようになることを目標にしています。

例えばレポートの書き方では、レポートで使われる文体や表現のほか、テーマの設定の仕方や絞り込み方、説得力のある意見の述べ方や論の展開の仕方、効果的な引用の仕方等も学んでいます。また、実際に書いたレポートを友達同士で読みあって、自分の主張をよりわかりやすく、的確に伝えるにはどうしたらいいのかなどを考えます。

また、秋学期には、通常のディスカッションに加え、パネルディスカッションも行っています。パネルディスカッションは、「外国人材の積極的採用」「女性の活躍」「高齢者の再雇用」など、特定のテーマについて、自分たちが決めた役割になりきってクラスメートの前で公開討論を行い、聴衆からの質問に応じるというディスカッションです。
自分の選んだ役割を演じるためには、たくさんの資料を調べ、その立場からの情報や意見を的確にそして不特定多数の聴衆にわかりやすく説明する必要があります。

毎年、このパネルディスカッションに力を入れる学生が多く、高齢者の役なのについカタカナ語を多用してしまう学生など、ご愛嬌もありますが、それぞれの学部で学んだ専門知識や考え方も活用しながら受講生同士協力し合って準備を進め、とても完成度の高いディスカッションが展開されています。

このクラスは、さまざまな学部の学生がともに学べるというところも魅力です。

留学生のみなさん、大学・大学院の専門の授業に、より自信をもって臨めるように、一緒に学んでみませんか。

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