教員ブログProfessor's blog
言語教育研究センター日本語カリキュラム主任(大学院言語科学研究科兼務)の清水崇文教授が監修した「雑談がちょっと生まれやすくなる5条件」の調査結果が公開されました。
言語教育研究センター日本語カリキュラム主任(大学院言語科学研究科兼務)の清水崇文教授が監修した「雑談がちょっと生まれやすくなる5条件」の調査結果が公開されました。
https://www.suntory.co.jp/softdrink/news/pr/article/SBF1431.html
(サントリー食品インターナショナル株式会社)
この調査は、清水教授がサントリー食品インターナショナル株式会社の依頼を受けて行ったもので、同社開発の「社長のおごり自販機」をめぐり、コミュニケーションがどのように促進されるかを分析したものです。
雑談が生まれやすい条件として、「目の前にある共通の話題」、「腹三分目=3分程度」の少し物足りないくらいの短さ、「ついで」の気軽さが生むリラックス感、といったことが見出されました。
清水教授は、社会における雑談の意義について、次のように述べています。「雑談の本質は、〈相互的な自己開示によるラポール(=信頼関係)の醸成〉だと考えています。職場において雑談は、お互いに心がつながりあっている、通じ合っていると感じられる状況を作り出し、心理的安全性や生産性に良い影響を与えます。信頼関係がある同僚が多い職場は、その社員にとっての「ホーム」となるのです。会議中などでも気軽に発言できたり、行き詰まったりしたときに早い段階で誰かに相談することができたりします。逆にいうと、心理的安全性が確保されていないと、働く人のモチベーションを低下させ、結果として組織の生産性やクリエイティビティを損なわせる一因になり得ます。職場以外でも、ご近所さんと帰り道が一緒になったときや、買い物ついでのお店の人との会話など、今回見出した5条件を意識するだけで、雑談が生まれ、よいコミュニケーションが促進されるでしょう」。
雑談をはじめとしたコミュニケーションと言語をめぐる清水教授の知見は、本学言語教育研究センターでの日本語教育や、外国語学部および大学院言語科学研究科での日本語教育学の指導にも反映されています。
清水教授によるコミュニケーション関係の書籍
「雑談」についてもっと知りたい方向け
『雑談の正体―ぜんぜん“雑”じゃない、大切なコミュニケーションの話―』(凡人社、2017年)
留学生をはじめ、日本語を勉強したい方向け
『日本語雑談マスター』シリーズ[青][黄](凡人社、2021/2022年)
『中上級学習者のためのブラッシュアップ日本語会話 みがけ!コミュニケーションスキル』(スリーエーネットワーク、2013年)
日本語教育に携わる方向け
『〈日本語教師のための〉 日常会話力がグーンとアップする雑談指導のススメ』(凡人社、2018年)
『コミュニケーション能力を伸ばす授業づくり―日本語教師のための語用論的指導の手引き―』(スリーエーネットワーク、2018年)
コミュニケーションの観点から英語を勉強したい方向け
『ライトハウス英和辞典』第7版(「対話のスキル」)(研究社、2023年)
『相手を必ず動かす! 英会話のテクニック』(アルク、2019年)
『心を動かす英会話のスキル コミュニケーションの鍵―ポライトネス』(研究社、2016年)