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日本語FD講演会「日本語教育の研究と教育の接点を求めて」(講師:坂本 正 氏)が開催されました

12月19日(土)に言語教育研究センター主催のFD講演会が開催されました。名古屋外国語大学の坂本正先生をお迎えして「日本語教育の研究と教育の接点を求めて」という題目で講演していただきました。今回は、コロナ渦のキャンパス入構制限のため、Zoomによるオンライン開催となりましたが、遠方からも参加していただくことができました。計127名の参加者が講演を拝聴しました。

坂本先生は長く南山大学で教鞭をとられ、日本語の第二言語習得研究を軸とされながら、留学生の日本語教育から学部、大学院生の日本語教師養成に携わってこられました。このような経歴から、研究と教育の間で行ったり来たりした経験を振り返りながら、お話しされました。坂本先生のキャリアは、日本語教育のニーズが国内外で次第に高まっていった時期と重なり、その節目節目で良き師や同僚に出会い、チームワークで様々な研究プロジェクトや教材開発を乗り切った経験を話されました。

日本語教育において、口頭練習中心に基本文型を学ぶ初級から、読解への比重が高くなる中級への橋渡しとして開発した速読教材、自国で中級までやったのに日本の大学に留学してプレースメントテストで初級に入ってしまう学生のための教材など、現場からのニーズを吸い上げた教材を開発、出版された経緯を伺いました。また、JETプログラムの外国語指導助手向けの独習教材や、南米にルーツを持つ子供達のための教材などの開発にも関わられ、お仕事内容は、まさに日本語教育の多様性の広がりそのもののように感じられました。

学習者から学ぶ姿勢が重要であること、志を同じくする仲間作りが大切であること、そして何よりも大学教員として、研究、教育のどちらかに偏ることなく両輪を回すことが不可欠であることを強調されました。これから日本語教育の道に進もうと考えている人達はもちろんのこと、すでに日本語教育に従事している人達にとっても、大きな道しるべを与えてくださいました。

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